イタリアの巡礼

『あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。』ヨハネ15・7

 「ローマへの巡礼に行きたい!」と、伊勢崎小教区の皆で話したのは2年前だった。まずは、父と子と聖霊の神さまに感謝します!この度、阪急交通社(日本)の企画で、ペドロ・トマゼリ神父さまご同行、11月12日より10日間イタリア巡礼。参加者18名(伊勢崎小教区6名)。ローマ→ピエトレ-ルチーナ→サン-ジョバンニロトンド→モンテ-サンタンジェロ→ロレート→アッシジ→サン-ジャミアーノ→シエナ→フィレンツェ。幸いな時を過ごした。

 昨年4月までの5年間、ペドロ・トマゼリ神父は主任司祭として、伊勢崎小教区を霊的ご指導された。流暢な日本語で御言葉を語り、説き、大変良く祈られる。ご聖体賛美の重要性を教えられた。信徒たちの目が輝き!少しずつ霊的に変えられるのを見た。私自身は共同体のみなさんと深く本心で関われるようになった。ありがたい5年間だった。ペドロ神父さま在任中、たくさんのミラノ宣教会の神父さま方に出会えた。皆様お一人お一人異なる賜物をお持ちで、主の御業の実現のため働かれ。時に黙想指導者として、時にミサ説教なさり、時に共同改心式のため、時にローマ本部から訪問され、時にイチジクの実を収穫し、ご一緒にお茶を飲み、共にお食事をした。多くの立派なミラノ宣教会の神父さま方と交われたことは、私たちには貴重な機会だった。私はミラノ会の神父さま方が大好きだ! 神さまが栄光をお受けになるために生きておられる神父さま方だから! 1ペトロ4・7~11

 ローマから始まった巡礼、ミラノ宣教会本部訪問。フェルッチョ神父さま、ダヴィデ神父さま、マルコ神父さまに再会できた!最高の喜び!! 本部に飾られた写真や地図、世界で活躍する神父さま方を身近に感じた。同時に、その犠牲はいかばかりだろう。世界各地で、言語を学ばれ、困った人々に寄り添い、御言葉を説き、イエスさまを伝える皆様に敬服し、祈らずにはいられない。美しい本部礼拝堂でのミサ、茶話会、巡礼のスタートに相応しい恵みの時であった。翌日のヴァチカン・聖ペトロ墓所前でのミサ。その後、ピオ神父ゆかりの地での2度のミサ、ロレート・聖なる家族の礼拝堂ミサ、アッシジ・聖フランチェスコ聖堂ミサ、フィレンツェ・聖十字架教会ミサ、計7回のミサは素晴らしかった! ご聖体をいただいて歩んだ巡礼。ペドロ神父さまは、毎朝、私たちを導くための祈りの言葉。旅行気分になりそうな私たちに、バス車内でも、飛行機内でも、御言葉を読み祈る姿を見せてくださった。私たちは、祈り合い、語り合い、大笑いしたり、気づかれないように涙を流したり。よく眠り、良く食べた。行く先々で多くの聖人たちの歩みに触れて胸が熱くなった!また、各地の街並み、様々な教会、塔等々、今も目に浮かぶ。イタリアは、神さまの愛に溢れていた。

 伊勢崎小教区・安富文子さんが以下の通り原稿をくださった。

 「私は70才にして、初めての「海外巡礼の旅」を体験しました。期待と体力的な不安を抱えての参加でした。私の中で巡礼とは、ゆったりとした時間の中で、祈りながら自分の信仰を見つめなおす旅、だと思っていました。しかし、今回の旅は想像以上に過酷なもので、よく食べ、よく飲み、よくしゃべり。そして移動の連続でした。そんな中、ミサ以外で唯一、祈りの時を持つことができたと思えたのは、サン・ジョバンニ・ロトンド滞在2日目の朝、まだ薄暗い中、同室の椎名さんと、聖パドレ・ピオ大聖堂前にそびえ立つ十字架まで散歩をしたことです。 穏やかな坂を上りながら、沈黙のうちに祈る時間は、とても嬉しい貴重な体験でした。これが巡礼だ!と。ふと、私が子供の頃、フランシスコ会のアメリカ人司祭たちが、腰から下げていた大きなロザリオを持って、教会の庭で祈っていた姿を思い出しました。 今回の旅で、イタリアの歴史、多くの文化遺産、そして聖人たちの姿、と盛沢山の知識を得ました。特に聖人たちの完徳に達するまでの祈りの姿、奉仕の姿等に触れ、その模範に倣うことが、私の巡礼の目的だったと、深く心に刻む恵の多い旅となりました。安富文子」

 安富文子さんも、同室の椎名由美子さんもご家族みなさま熱心な信徒だ。巡礼にご一緒に参加できて、お二人と伊勢崎共同体にいられることが本当に嬉しい。

 私は、日本の一般家庭に生まれた。生後すぐその土地の神社に詣で、亡くなる時は仏教徒になり葬られ、儒教の影響が強く、宗教を語らないことを美徳のする日本によくある家庭だ。

母が、8~12歳の私をカトリック伊勢崎教会・英語クラスに通わせてくれた。神父さまは、温和で誰にでも公平で優しくて。「これがお父さんか?」とても満たされた! 私は生後間もなく両親が離婚し父を知らない。「神父さまは私のお父さんだ!」父がいないおかげで、神父さまを父だと思い!神さまに出会えたと思う。また、父が公立高校の教師だそうなので、私はあえて私立高校へ通ったが、何と!その高校はミッションスクールだった。イエスさまと御言葉の虜になった!『イエス・キリストは主である』フィリピ2:6~11 そして、神さまから赦されて、嫌いだった多くの人(特に父かな?)を受け入れ、好きになって。24歳の時洗礼を授かった。今では、私にはたくさんのお父さんがいる!ありがたい。父を知らなくて、本当に良かった!!喜んでいる。1テサロニケ5・16~22

 巡礼の終わりに、ふと、『一期一会』という言葉が浮かんだ。Once-in-a-lifetime-chance

(茶道の心得:茶会は毎回、一生に一度だという思いを込めて、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。転じて、一生に一度しかない出会い。一生に一度限りであること。) この10日間に出会った人々とは一度限りかもしれない。もう会えないだろうか? いいえ違う。私たちクリスチャンには、天の御国で再会できるチャンスがある!その道は狭く険しいだろうが、どうしても『空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます』姿を思い抱いてしまう。1テサロニケ4・15~18 

主こそ栄光!イエスさまこそ勝利です!聖霊こそ慈しみです! 神さまが主イエスさまの十字架の捧げをもって、救いの御業を成し終えられ。神さまが御子の身代わりの死をもって、十字架でなされた救いの御業、贖いの出来事により、私たちは生かされていると、常に深く味わうことのできた巡礼だった。この巡礼でお会いした全ての方々と、天の御国で再会するという人生のはっきりした目標を得た。日本に戻り、現実は大変厳しいけれど。決して諦めないで『折が良くても悪くても』前進しよう!主とご一緒に。2テモテ4・1~8

 ペドロ神父さま!霊的ご指導、ご同行感謝します。

 ダヴィデ神父さま!出発前から、いくつものお願いに応えていただきました。本当にありがとうございます。娘・冴佳も、私も、ローマで過ごした時を忘れません。

 親愛なるミラノ宣教会の全ての神父さま方の為に!心から祈ります。どうか御心にかなう使命を全うされますように。そして、療養中の神父さま方!ゆっくり休養してくださいね!そこにいてくださることがとても嬉しいです!ありがたいです。

私の大切な伊勢崎小教区共同体の皆様と共に、祈り続けます。

        Maria Annunziata 根岸千佳子(2018年12月3日)

ローマの聖ペトロ大聖堂の地下